療育を考え始めたきっかけ|言葉の遅れ
子どもの発達に「ん?」と引っかかりを感じた瞬間から、頭の中はずっとそのことでいっぱいになりました。
気づけば夜中までスマホを手に取り、同じワードを何度も検索していました。
そして行き着くワードは「発達障害」「療育」…。
「ついに違う世界と思っていた療育というやつに足を踏み入れるの…??」「何から手をつければいいの?」
そんなふうに不安でいっぱいになりました。
毎日生かすだけで精一杯なのに、ググって、電話して、見学して…って、正直めちゃくちゃハードル高いですよね。(その時間があったら、横になって無料漫画見たいですよ)
私も最初は何から始めればいいのか分からず、そもそも「いやいや、療育って聞いたことはあるけど、まさか我が子が行くことになるなんて」と、全然受け入れられてもいませんでした。
療育を意識し始めたきっかけは、発語の遅さでした。
やっと言葉が出ても増えるスピードがゆっくりで、癇癪・多動もあり、育児の難易度が月単位で上がっている感覚がありました。
我が家の療育 スタートまでの4ステップ
地域によって違うので、まずは最寄りの発達センター or 福祉課に問い合わせる
大変なのですが、これが一番確実です。(読みに来てくださった方々の手間を省けずに…すみません)
我が家の流れはこんな感じでした。
1. 地域の発達センターに相談 → 発達検査 → 親子教室へ
結果は「様子見」(※詳しくはこちら)
2. 様子見てる場合じゃないわ〜と再度問い合わせ → 受給者証の手続きへ
既に履歴があったからか、簡単な面談で終了
※診断名がなくても発行できました
3. 約2週間後、受給者証が到着 → 療育施設探し開始
4. 幼稚園入園後、週1回の療育を開始
「え、これ全部自分で動くの…?」って気が重くなりますよね。私も当時は一仕事終えるたびにぐったりして、何とか気持ちを立て直す為に、自分にご褒美を与えていました。(スーパーの割引お寿司がやたらと沁みたのを覚えています)
でも合う療育に出会えたことで「一人で抱え込まなくていい場所ができた」それだけで気持ちが楽になりました。
なぜ児童発達支援施設を選んだのか
児童発達支援施設(療育)は、発達に不安がある未就学児が専門の療育を受けられる通所サービスです。
発達センターでは、今後の親子教室は「幼稚園に入ると2ヶ月に1回ペースになる」と言われていて、正直 頻度が全然足りない と感じていました。
うちの長男…幼稚園が始まれば、生活面でも対人関係でも“つまずき”が出るのは確実。絶対。間違いない。
だからこそ、
✔ 気軽に相談できて
✔ 困りごとが出た時にすぐ方向性を変えられて
✔ 子どものペースに合わせてくれる場所
が必要でした。
そして決め手になったのが、
児発は無償化の対象で無料で通える という点。(地域によって異なる場合がありますのでご確認ください
)
金銭的な負担を気にせず、「必要な支援を必要なだけ受けさせられる」
それが私にとって大きな後押しになりました。
3つの療育施設を体験見学
最初は、
「長男に合うかどうか見極める自信がない」
「むしろ暴君ぶりを見て断られるのでは…」
もう傷つきたくない、そんな気持ちでいっぱいでした。(幼稚園選びで泣いた話はこちら)
でも、実際に体験見学すると“合う・合わない”は想像以上にハッキリ分かるということに気づきました。
【1件目A社】大手の集団型
レッスン時間はまさかの 3時間(さ3時間!? 2度見)。
8畳ほどの部屋に男児5〜6人、先生2人。
パイセンたちの動きが俊敏すぎて、長男もつられて落ち着かない様子。
個別はあるのか聞くと、「基本集団で、希望があれば4回に1回個別」
→ 3時間は本人も負担だろうし、待っている親も次男も正直しんどいとしっくり来ず。
【2件目B社】大手の“お勉強色強め”の個別
レッスン時間は1時間。1畳半ほどの小部屋で先生とマンツーマン。
フラッシュカード、アルファベットの歌など、かなり“勉強”に寄った内容。
一瞬で飽きてフェレット化した長男、テーブルのパイプに巻きついて遊び始める。
先生は淡々と続行。そうだよねフェレットきたら無になるしかないよねとそっと目を閉じる私。
親は毎回、扉の小窓(マジックミラー)から覗くスタイル。
英語に興味なさすぎだけど大丈夫?と聞くと「何がキッカケで興味が広がるか分からないので… 」とのこと。…長男が英語に興味を示す未来が見えない。(ちなみに5歳現在も英語の興味は湧いておりません。)
→ 本人が楽しく通えないのでは…?と見送り
【3件目C社】ママ友に教えてもらった穴場系
レッスン時間は1時間。(うち15分がフィードバック)
机上課題 → 粗大運動、とバランス良く進むスタイル。
ホワイトボードに絵カードで時間割があり、長男も見通しがついて安心。
興味に合わせて活動を柔軟に変えてくれたので、飽きずに楽しそう。
年少の間は個別、年中以降は様子を見て集団も組むとのこと。
親は別室のモニターで見学できて、イヤホンでしっかり様子を確認できる。
→ 一番長男が楽しそうで、私の安心感も大きかった。
案内してくれた先生も熱血タイプで、私が「◯◯で困っていて…」と話すと「なら、こういうアプローチの仕方もありますよ‼︎‼︎」とその場で的確な方法を提案してくれた。
個人的に声が大きい人が好き(誰得)
見学で絶対に見るべき4つのポイント
先生たちの声かけ/子どもが嫌がった時の対応
C社は長男の気持ちが乱れた時に、長男の気持ちを代弁してくれていました。「何が嫌だったの?これ?これ?そっか、これが嫌だったんだね」と言葉を引き出そうとしていました。
この方針が、私が取り組んでいた【発達障害の子を伸ばす魔法の言葉かけ※記事はこちら】の方針と合致していました。
自分が何となく持っている育児の方針と合っているかを見ることが大切だと思いました。
B社のように、長男の集中が切れていても淡々と進めていくと言う方針は、もしかしたら子どもが持つ集中力を信じて、自分で戻ってくるのを待っていたのかな、と今となっては思います。それが合う子もいるのだと思います。
カリキュラムの具体性/保護者への説明の丁寧さ
ここの説明がダントツだったのがC社です。
今の困りごとを伝えると、「ではこのような支援はどうですか?」と全ての悩み、それぞれに合った方法を提示してくれました。
「こういうやり方があったんだ」と気持ちが晴れたのを覚えています。
A社とB社はこのような具体的な支援方法の説明はなかったのですが、こちらから聞けば答えてくれただろうなと思うので、これから見学に行く方は、悩み事を伝えて、具体的な支援方法を提案してもらうのがいいと思います。
事務的な説明ではなく、どこまで寄り添ってもらえそうかを感じるのは、とても大切なことだと思っています。
待合室や送迎のしやすさ
子どものためなら多少遠くても頑張るべき?と悩むところではありますよね。
ただ、毎週を何年も通うとなると、親の負担が大きいと続きません。
「親のストレスが少ない=継続しやすい」
これは本当に大事だと思います。
C社も自転車で15分弱のところにあるので、余裕を持って通わせられていると感じます。
またレッスン中の待ち時間もとても大事でした。
我が家は次男も一緒に待つことになるので、1時間もつのか心配だったのですが、C社はおもちゃを貸してもらえるので、今は次男も療育に行くのを楽しみにしています。(そして先生に可愛がってもらえるのでツヤツヤして帰ります)
兄弟がいる方は、おもちゃの貸出しの有無や、近くに公園があるかどうかなどもチェックするといいかなと思います。
個別と集団のバランス
A社→基本集団
B社→基本個別で集団なし
C社→1年個別で基礎をつけて、2年目から集団
療育に通い始めた頃、集団の中で何かを学ぶというレベルに達していなかった長男。
C社は、マンツーマンでじっくり向き合ってほしいという思いと、そして今は無理でも、いずれは集団でも話を聞くことができるようになってほしいという思いに合っていました。
集団・個別の配分がお子さんの状況に合っているか確認が必要だと思います。
集団療育・個別療育 それぞれのメリットデメリット
集団療育
メリット
・年齢の近い子どもたちの中で、社会性(順番・待つ・協調)が育ちやすい
・子どもが他の子の行動を模倣して、できることが増える
・小学校へ向けた集団生活の練習になる
デメリット
・刺激が多くて落ち着かない場合がある
・一人ひとりに割ける時間が限られる
・子どもの性格によっては「何もできずに終わる」回も出てくる
・グループのメンバーによって質が左右される
個別療育
メリット
・子どもの特性に合わせてオーダーメイドで進めてもらえる
・苦手を細かく見つけて、ピンポイントで伸ばしてもらえる
・他の子を気にせず、集中しやすい環境
・先生との距離が近く、小さな変化にも気づいてもらいやすい
ポイントまとめ
どれも「どの施設が良い/悪い」というより、
“わが子の性格・困りごと・今の段階”に合っているかどうか。
これが一番の判断軸だと感じました。
①先生の対応、
②支援の具体性、
③通いやすさ、兄弟の負担
④個別と集団のバランス…
小さな差に見えて、実際に通い続けると大きな違いになります。
実際に通って感じたメリット・デメリット
メリット
① 家ではできない経験ができる
知育おもちゃを使った遊び、粗大運動、あえてのイレギュラーへの対応練習など、家ではなかなかやり切れないことを計画的に体験できます。
「突然の予定変更」や「初めてのこと」にパニックになりにくくなる練習にもなっていて、将来のつまずき予防にもつながっていると感じます。
② 親にとっての“拠り所”になる
療育の面談で気持ちを分かってもらえたと感じた瞬間、涙が出たこともありました。
自分でも気づかないくらい、張り詰めていたんだと思います。
専門の先生に思いを聞いてもらえたり、的確なアドバイスをもらえるのは本当に救いです。
子どものサポートをすると同時に、親のメンタルケアにもなっているのが療育だと思っています。
③ 子どもの成長を客観的に見てもらえる
療育に通って約1年半。
日々の生活では見落としてしまうような小さな成長ポイントも、先生が見つけて褒めてくれるのが嬉しいです。
「そんなところ伸びてたんだ!」と気づかせてもらえるのは、親にとって大きな励みです。
④親の罪悪感が減る
「どう接したらいいかわからない…」「最近ダメしか言ってない」という毎日のモヤモヤを、専門家と一緒に考えていくことで、心の負担が軽くなります。
⑥ 子どもが“成功体験”を積める場所になる
家だとできないことも多いけど、やはり療育は環境が整っているのが強みです。
我が家の知育タイムも、絶対に長男に負けたくない次男が乱入し、カオスになります。
でも療育は、
・集中しやすい環境
・子どもの発達に合わせた教材
・先生の的確な声かけ
がそろっていて、“できた!”が増えやすい。
これは発達ゆっくりさんの自己肯定感に直結するから強いメリットだと思います。
デメリット
①予定が立てづらい
移動を含めると意外と時間がとられ、その前後に予定が組みにくく、結果的にその日は「療育デー」になることが多いです。
②つい他の子と比べてしまう
同じ療育に通うこの成長が目に入ると、我が子のペースがゆっくりに感じてしまうことがあります。比べても仕方ないと分かっていても、どうしても気持ちが揺れるときがあります。
療育を通して気づいた、「助けを求める」ということ
NHKのすくすく子育てに出演した精神科の先生のお話で、今でも心に残っているものがあります。
当時はポカァンと聞いているだけでしたが、療育に通いながら、何度もそのお話を思い出すようになりました。以下、私なりの解釈ですが…
療育は、子どものための支援と思われがちだが、親が一人で抱え込まなくてもいい場所であるということ。
将来の自立を考えると、自分の得意なこと、苦手なことを知り、できないことは人に助けを求め、相談する力を身に着けていくことが大切。
そしてその姿を、親自身が先にやって見せること。
療育は、子どもだけでなく、「親も助けを求める」を練習できる場所なのかなと感じています。
お読みいただきありがとうございました!

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